【書評】Wanhoの読書備忘録

ワンホの本要約ブログ

「本の要約」をわかりやすく書いていきます。

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『WORK 価値ある人材こそ生き残る』

こんにちは、ワンホです。
 
本日ご紹介する一冊は、Twitterフォロワー数12.5万人を超えるmoto(戸塚俊介)さんが書いた『WORK 価値ある人材こそ生き残る』という本です。
 
motoさんは会社員として働きながらも転職経験を元にしたメディアを立ち上げ、2021年4月に上場企業へ事業を売却。その額なんと7億円!現在は代表取締役を務めているそうです。
 
また、過去にも『転職と副業のかけ算』というベストセラー本を執筆しており、この本は「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」にもノミネートされました。
 
本書からは、そんなカリスマ起業家であるmotoさんの「働き方」や「仕事に対するマインド」について学ぶことができます。仕事の不安を減らしたい、成果をあげたい、働き方を見直したい人におすすめの一冊です。
 
ぜひ最後までご覧ください。
 

自分の成長より会社の成長を考える

会社とは学校のように自分を育ててもらう場ではなく、自分の価値を提供し、売り上げを作る場です。
 
「自分が成長できる会社に行きたい」、「どの会社でも活躍できる力をつけたい」と言う姿勢は、向上心があるように見えて、実は受け身になっています。
 
そもそも仕事で活躍するとは、成果を生み出し「会社の成長」に貢献することです。そして、スキルアップや成長は、会社のために働く過程で得られるものです。
 
したがって、仕事をする上では「この会社を私が成長させるんだ」という意識を持つことが、今後のキャリアを変えることにつながります。
 
目の前のことに一生懸命になり、絶対にやり切るという意思を持つようにしましょう。

給料はもらうものではなく、稼ぐもの

もしリモートワークが会社に導入されたとして、「やった、仕事が楽になった」と感じる人は要注意です。時間的な余裕が生まれたことに甘えて、自分のアウトプットまで低下してしまうと、自分の価値は下がっていきます。
 
「上司に言われたことだけやっていれば良い」、「今日はメールだけ返しておけばOK」といった働き方では、何もできない人になってしまいます。「仕事は会社に与えてもらうもの」という認識があることは、自分の価値も得られるお金も限られます。
 
毎月会社から振り込まれるお金ばかりに意識が向いている人は、自分の存在価値に目を向けましょう。
 
会社は「あなたの価値に対する評価」を「お金」という形で支払っています。つまり、自分の価値を上げないことには仕事も給与も増えません。「仕事は与えられるものだ」と思っている人と「仕事は自分で作り出すものだ」と考える人の差は歴然としてきます。
 
「会社からお金をもらっている」という感覚ではなく「今月、自分が稼いだお金は○○万円だ」という感覚を持って、自分の給与と向き合うことが大切です。「給与はもらうものではなく稼ぐもの」これをしっかり意識しましょう。

仕事のアクションは自分で起こす

会社は「仕事を生み出して、お金を稼げる人」に対価として給与を払います。したがって、主体的に動ける人の方が人材としての価値は高くなります。
 
誰かの指示がないと仕事がない人は、無意識のうちに会社に依存しています。会社に甘えている側面があるということです。自分の抱えている仕事が「やらされ仕事」なのか「自分で生み出した仕事なのか」を考えてみましょう。
 
仕事ができる人は、時間があるうちに仕事の整理をしようとか、打ち合わせの資料を事前にメールで送っておこうとか、自分から仕事を作ってこなしています。彼らは自分から仕事を作り続けることで価値を発揮しているのです。
 
「どうせ働いたところで給与は同じだから、無駄に働かないほうがいい」という考えの人もいますが、この考え方は仕事で得られる経験値を少なくしてしまい、非常にもったいないです。
 
また、仕事に対するスタンスも受け身になってしまいます。人材としての価値は「自分の経験」がベースになります。長い目で見れば、費やす時間や行動量を増やす事が大切です。

誰もやっていない仕事はチャンス

仕事は信頼のある人のところに自然に集まってきます。そして、信頼を獲得するには「誰もやりたがらない仕事」をすることが有効です。
 
著者のmotoさんはホームセンターで働いていたとき、誰もがやらされ仕事として捉えていたポイントカードの入会キャンペーンに全力で取り組んだそうです。
 
本社からのノルマは未達成でもお咎めなく、全員がこの仕事への関心を失っている中、motoさんはやり方を工夫し、メンバーを鼓舞することで、過去最高の成果を達成しました。
 
誰もやっていない仕事=全員にやる気がない状態ですが、だからこそ自分で主導権を握ることができます。
 
自分がやるべきこと以外の仕事を新しく作り、それで成果を出せれば社内から大きく評価されます。さらに、このような仕事でミスをしても、責められることはまずありません。
 
つまり、誰もやっていない仕事ほどローリスク・ハイリターンといえます。
 
「社内では誰もやっていない」または「やった方が良いことをやっていない」という仕事を見つけてみてください。誰もやりたがらない仕事を「やらされ仕事」として受けるのか、「経験が得られるチャンス」と思える仕事にするのかは、自分次第です。
自分の成果と数字で向き合う
成果とは、「会社への貢献度が高く、数字で表すことのできる実績」です。
 
例えば、あなたがある商品のPRの仕事をしていたとします。メディアで連絡をして、商品を取り上げてもらうように依頼したり、取材をしてもらったり様々な活動をすることになります。
 
この場合の成果とは何でしょうか?
 
先程の定義に当てはめると、PRの目的は、顧客に商品を知ってもらい、買ってもらうことです。メディアで紹介されることがゴールではなく、「その記事を見て、どれだけの人が商品を買ったのか」「メディアを通じてユーザーがどれくらい認知したのか」というところまで追いかけて、初めて成果になります。
 
会社として追いかけるべきは、お客さんに商品を知ってもらうことではなく、購入ユーザーを増やすことです。
 
成果を数字で表すようになると、自分のやった仕事に対する効果がわかるようになります。前回よりもうまくいったのか、成功した要因は何かなど、考える余地が広がってきます。
 
自分のやった仕事を、数字として追いかける癖をつけるようにしましょう。

売り上げに紐付いた行動をする

仕事とは価値を生み出し、会社の売り上げを作り出すことです。これを達成するためには、売り上げに紐付く行動を増やし、逆に売り上げに紐づかない行動は最小限にとどめることが大切です。
 
では、どのように売り上げに紐づいたかどうかを確認するのでしょうか?
 
答えは、自分が直接関わる仕事や、間接的に関わった仕事が、最終的にお金になるかを確認することです。
 
例えば、会社で行われる宴会の出し物の練習などは、売り上げに紐づいていないことの代表例です。ただし、必ずしもそういった行動が、自分の経験や学びにならないとも限りません。
 
ポイントは「自分が関わった仕事が最終的にどうなったのか」を常にウォッチしておくことです。
 
自分が使った時間は「浪費」だったのか、「投資」だったのかを考えることが重要です。お金とのつながりがない仕事は、自分から切り離すか、その仕事をしないようにする必要があります。
 
会社の評価面談で見られるのは、こういったあなたの行動です。売り上げに紐付く行動をして、貢献度を確認する。これを意識してみましょう。

「自分株式会社」の考え方

本書でmotoさんは、自分株式会社という考え方を勧めています。これは、自分自身を会社に見立てて、経営者目線を自分の中に持つということです。
 
あなたは「自分株式会社」という会社の経営者です。この会社の売り上げは、今在籍している会社からの給与や副業の収入です。そこから家賃や食事代という経費や、住民税や自動車税等の税金が引かれ、手元に残った金額が利益です。
 
この考え方ができるようになると、「自分株式会社の売り上げを上げるには、何をすれば良いのか」「どんなことに経費がかかっているのか」という視点を持てるようになります。
 
転職をして給与をあげたり、副業をして別の収入源を確保することで、自社の売り上げを伸ばすことができるかもしれません。また、飲み会に参加しないようにしたり、スマホ格安SIMに切り替えることで、経費のムダを抑えることもできるでしょう。
 
さらに、自分株式会社にとって、経験は資産に入ります。自分株式会社は「あなたの経験を使って売り上げを伸ばしていく」というビジネスモデルです。
 
例えば、転職をして一時的に年収が下がっても、経験を得られれば長期的にはプラスになります。このように、会社の収支を見るようにして、自分自身の働き方が「プラスになっているかどうか」を見極めましょう。

会社をビジネスパートナーだと捉える

自分株式会社の考え方ができると、今所属している会社をビジネスパートナーだと捉えることができます。
 
会社に対して「自分の労働力を提供する、会社はそれを年収で買っている」という関係だと捉え、あくまで会社と自分は対等だと考えます。
 
この考え方の大きなメリットは、会社をビジネスパートナーとしてみると「会社を利用する」という視点が持てるようになることです。
 
ほとんどの人は「自分は会社に利用されている」と考えてしまいます。どんな仕事であっても、「雇われているから仕方なくやっている」という気持ちで働いていることは、いつまでもやらされ仕事の域を脱しません。何歳になっても、言われた仕事しかできない人になってしまいます。
 
会社員はたとえ失敗しても、急にクビになったり、年収を全部返納しろとは言われません。会社という大きな力を持ったビジネスパートナーを利用すれば、自分の将来に役立つチャレンジをすることができます。今までできなかった仕事ができたり、個人ではできない大きな仕事ができたりします。
 
その結果、転職のオファーをもらえたりすることもあります。会社をビジネスパートナーとして捉えることで、会社に依存しない考え方ができるようになります。

仕事を作業にしない

作業とは、何も考えずにただ言われた通りに行動をすることです。逆に「仕事をしている」というのは、自分の仕事にどんな意味があるかを考えながら仕事をしている状態をいいます。
 
例えば、Excelのデータ入力の仕事を頼まれた場合でも、ただの入力作業として考えるか、数字を見ながら「このデータはこうした方が見やすい」とか「ここの数字がいつもより落ちている」ということに気がつければ、それは組織に対して自分の価値を提供できているといえます。
 
上司の指示に対しても、なぜこの指示をされたのか、本当にこの仕事をやるべきなのか、という思考をすることが大切です。自分の頭を使って仕事に取り組むことで、初めて経験値を獲得することができます
 
motoさんは本書で、「自分の頭を使って仕事に取り組む」ことを「脳みそに汗をかいて働く」と表現しています。
 
頭を使って行動しなければ、あなたの市場価値は現状維持になります。変化の激しい時代においては、現状維持は押していくのと同じです。おすすめは、脳みそに汗をかいて行動していくことです。

「許可」を求める行動をする

上司に仕事のことを相談するとき、多くの人は「どうしたらいいですか?」と聞いてしまいます。しかし、このような場合は「こうしてもいいですか?」という言葉を使うようにしましょう。
 
脳みそに汗をかいて働く、つまり自分の意思や思考をかませると、必ず「こうしてもいいですか?」という質問になります。目の前にある仕事に対して、どうするべきかを自分で考え、そのために必要な許可を上司に求めるところがポイントです。
 
上司の指示にただ従うのではなく、自分で考えて結論を出し、それを行動に移すことで、自分の仕事に責任を感じられるようになります。自分に責任がある仕事ほどやりがいは感じられるものです。
 
目の前の課題をクリアするために、自分はどうすべきかを考えるようにしましょう。

主体性がないと成果が出ない

仕事では、何よりも「主体性」が大切です。
 
与えられた仕事をやらされ仕事にするか、その仕事を利用して自分のために成果を出すかは、自分の主体性によって変わります。
 
単調な作業や難しい課題を与えられたとき、会社の売り上げを上げることに意識を切り替えたとmotoさんは本書で話しています。
 
店全体の売り上げを1時間おきにチェックし、昨年の同時刻と比較して上がったかどうかを見ることにしたのです。その時間の売り上げが昨年に負けていたら、生鮮食品のコーナーへ行って、最も売れている寿司の品出しを行ったり、ツマ盛りを手伝ったりしました。このように工夫することで、お店の売り上げはどんどん伸びていったそうです。
 
売り上げが上がれば上司は喜び、そのうえ自分の仕事にオリジナリティが出ます。主体性を持って行動することで、仕事は楽しくなってくるものです。
 
仕事を作業にするか、作業を仕事にするかは自分次第です。どんなに地味で大変な仕事でも、「何のためにやっているのか」という視点を持って、作業を仕事に変えていきましょう。

仕事にモチベーションを求めない

「仕事のモチベーションを上げたい」という悩みを持つ人は多いと思います。しかし、自分のモチベーションの事はいったん忘れた方が、自分の市場価値は上がります。
 
なぜなら、自分のやる気に振り回されてしまうと、仕事の成果にばらつきが出てしまうからです。重要なのは、モチベーションに目を向けるのではなく、「相手にどんな価値を提供できるか」に集中することです。
 
目の前の顧客に対して「自分の介在価値」を高めることで、自分の市場価値は上がっていきます。自分の価値を上げるために仕事をするようになると、モチベーションという言葉は出てこなくなります。
 
自分の価値を上げるためには、誰かに設定された目標をこなしても意味がありません。それは「やらされ仕事」です。代わりに自分自身で課題や目標を設定し、それを達成するための行動をする必要があります。
 
仕事にモチベーションを求めるのはやめて、「相手にどんな価値を提供できるか」を意識するようにしましょう。

さいごに

いかがでしたか?
 
著者のmotoさんは、「行動を起こさないことこそ、最大の失敗だ」と考えて生きてきたそうです。自分の立ち上げた会社を上場企業に7億円で売却できたのも、会社員時代に小さな成果をたくさん出し続けたからだと語っています。
 
結果だけ見ると「そんなすごいこと凡人にはできない」と考えてしまいますが、本書を読めばそれが間違いであることがわかります。
 
どんな仕事に対しても、「成果を出すこと」や「自分の市場価値を上げること」にこだわり続けたからこそ、成し遂げられた偉業なのです。
 
私自身もこの本を読んで大きく影響を受けました。
 
特に「自分の市場価値を上げる」というマインドは、これからの時代を生きていくために必ず必要になる考え方だと思います。本書の大きなテーマでもありますので、気になる方はぜひお手にとってみてください。
 
ではまた次回!
最後までご覧いただきありがとうございました。