『世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか?』
アメリカを主導するリーダーたちは頭だけでなく、心も体も鍛えられている。
新日本海新聞社顧問でもある田村耕太郎氏が「コンディショニング」をテーマとして2013年に執筆した本書。
本書では、著者が「日本を待ち受ける世界との競争に一番必要なのは、カラダ作りとコンディショニング」と語る理由やコンディショニングの具体的な方法が紹介されています。
また、全米で大人気のトレーニング「クロスフィット」も掲載されており、さっそく行動に移すことができる一冊となっています。
それでは、内容を見ていきましょう。
Wanhoの個人的評価
読みやすさ | ★★★★★ |
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新規性 | ★★★★★ |
有用性 | ★★★★★ |
おすすめ度 | ★★★★★ |
本書のハイライト
日本のリーダー像と世界のリーダー像には大きな乖離がある。
日本のリーダー層は運動が足りない。運動や食事、心のケアへの配慮が不十分なため疲れやすいし勉強や仕事に行き詰まる。
今や世界中で文武両道が当たり前になっている。
なぜ運動が必要か
早朝のワークアウトは脳に良い。朝から大きな筋肉を適度に動かすと記憶を司る海馬の血流が良くなり神経細胞が増える。そして、神経細胞と神経細胞の接点であるシナプスがつながる。
脳と体を連動しており、肉体を鍛えることと脳を鍛えることは切っても切り離せない。
身体を動かすと脳が機能する
そもそも脳は体を動かす司令塔であり、故に表裏一体で、身体を動かすときに脳は機能し発達する。
脳は他の臓器の10倍も燃費が悪い臓器であるため、人類は普段は脳を休ませ、走って狩りをしたり、走って逃げたりするときに脳を機能させてきた。現代は狩りをする必要はないが、本来人間は体を動かさずに脳を機能させるのは苦手である。
心臓を鍛える
研究によると、IQと最も相関性があったのは全身にたくさんの血液を送る能力である。この能力のベースになるのは血管や心臓の能力。大量の血液と酸素を脳に送る機能が高いほど燃費が悪い脳を効率よく使える。
全身に大量な大量の血液を送り続けるには強い心臓と丈夫な血管が必要。そして、心臓と血管を鍛えるのは運動と食事である。
運動と記憶力の関係
運動不足は記憶力の低下をもたらす。運動不足により肥満になった結果、レプチンという満腹を阻止するホルモンが効かなくなる。レプチンが効かないと満腹でも食欲が落ちず、さらに食べて太ってしまう。
レプチンは記憶力や学習能力を向上させる働きがある。
クロスフィット
短時間でワークアウトの成果を出すために、クロスフィットがおすすめ。クロスフィットは短時間で効率よく鍛えられ、メニューはバランスよく設計されている。
例えば、腕立て伏せ、腹筋、スクワット6回ずつを5分間やり続ける。10セットやれば各60回。たった5分間でもかなりきついとのこと。
感想
本書では、「日本のリーダーがどのように運動や食事、心のケアをすべきか」を根拠・具体例を示しながら紹介しており、運動(食事、瞑想)することで、疲れやすい身体を鍛え記憶力や集中力の向上が見込めることを学びました。
そして、これらのことは既に海外のリーダーたちは実践しており、私たちも行わない手はないと感じました。
また、ワークアウトや運動の組み合わせが写真付きで数多く紹介されており、食事や座禅についても例がいくつか紹介されています。
「物事になかなか集中できない」「運動不足を直したい」という方、本書を参考に、ぜひ実践してみてください。
目次
1 文武両道のパワーエリートとは何か?
2 世界のエリートが実践するコンティショニング術
3 世界の文武両道事情
著者
田村 耕太郎(たむら・こうたろう)
新日本海新聞社顧問、上海国際商工学院顧問、国立シンガポール大学リークワンユー公共政策大学院名誉顧問。 早稲田大学、慶応大学大学院(在学中にフランス高等経営大学院に単位交換留学)、デューク大学法律大学院、エール大学大学院を各卒業。 オックスフォード大学上級管理者養成課程修了。2期参議院議員をつとめ、内閣府大臣政務官、参議院国土交通委員長を歴任。エール大学、ハーバード大学、ランド研究所でも研究員をつとめた。