【書評】Wanhoの読書備忘録

ワンホの本要約ブログ

「本の要約」をわかりやすく書いていきます。

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『WORK 価値ある人材こそ生き残る』

こんにちは、ワンホです。
 
本日ご紹介する一冊は、Twitterフォロワー数12.5万人を超えるmoto(戸塚俊介)さんが書いた『WORK 価値ある人材こそ生き残る』という本です。
 
motoさんは会社員として働きながらも転職経験を元にしたメディアを立ち上げ、2021年4月に上場企業へ事業を売却。その額なんと7億円!現在は代表取締役を務めているそうです。
 
また、過去にも『転職と副業のかけ算』というベストセラー本を執筆しており、この本は「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」にもノミネートされました。
 
本書からは、そんなカリスマ起業家であるmotoさんの「働き方」や「仕事に対するマインド」について学ぶことができます。仕事の不安を減らしたい、成果をあげたい、働き方を見直したい人におすすめの一冊です。
 
ぜひ最後までご覧ください。
 

自分の成長より会社の成長を考える

会社とは学校のように自分を育ててもらう場ではなく、自分の価値を提供し、売り上げを作る場です。
 
「自分が成長できる会社に行きたい」、「どの会社でも活躍できる力をつけたい」と言う姿勢は、向上心があるように見えて、実は受け身になっています。
 
そもそも仕事で活躍するとは、成果を生み出し「会社の成長」に貢献することです。そして、スキルアップや成長は、会社のために働く過程で得られるものです。
 
したがって、仕事をする上では「この会社を私が成長させるんだ」という意識を持つことが、今後のキャリアを変えることにつながります。
 
目の前のことに一生懸命になり、絶対にやり切るという意思を持つようにしましょう。

給料はもらうものではなく、稼ぐもの

もしリモートワークが会社に導入されたとして、「やった、仕事が楽になった」と感じる人は要注意です。時間的な余裕が生まれたことに甘えて、自分のアウトプットまで低下してしまうと、自分の価値は下がっていきます。
 
「上司に言われたことだけやっていれば良い」、「今日はメールだけ返しておけばOK」といった働き方では、何もできない人になってしまいます。「仕事は会社に与えてもらうもの」という認識があることは、自分の価値も得られるお金も限られます。
 
毎月会社から振り込まれるお金ばかりに意識が向いている人は、自分の存在価値に目を向けましょう。
 
会社は「あなたの価値に対する評価」を「お金」という形で支払っています。つまり、自分の価値を上げないことには仕事も給与も増えません。「仕事は与えられるものだ」と思っている人と「仕事は自分で作り出すものだ」と考える人の差は歴然としてきます。
 
「会社からお金をもらっている」という感覚ではなく「今月、自分が稼いだお金は○○万円だ」という感覚を持って、自分の給与と向き合うことが大切です。「給与はもらうものではなく稼ぐもの」これをしっかり意識しましょう。

仕事のアクションは自分で起こす

会社は「仕事を生み出して、お金を稼げる人」に対価として給与を払います。したがって、主体的に動ける人の方が人材としての価値は高くなります。
 
誰かの指示がないと仕事がない人は、無意識のうちに会社に依存しています。会社に甘えている側面があるということです。自分の抱えている仕事が「やらされ仕事」なのか「自分で生み出した仕事なのか」を考えてみましょう。
 
仕事ができる人は、時間があるうちに仕事の整理をしようとか、打ち合わせの資料を事前にメールで送っておこうとか、自分から仕事を作ってこなしています。彼らは自分から仕事を作り続けることで価値を発揮しているのです。
 
「どうせ働いたところで給与は同じだから、無駄に働かないほうがいい」という考えの人もいますが、この考え方は仕事で得られる経験値を少なくしてしまい、非常にもったいないです。
 
また、仕事に対するスタンスも受け身になってしまいます。人材としての価値は「自分の経験」がベースになります。長い目で見れば、費やす時間や行動量を増やす事が大切です。

誰もやっていない仕事はチャンス

仕事は信頼のある人のところに自然に集まってきます。そして、信頼を獲得するには「誰もやりたがらない仕事」をすることが有効です。
 
著者のmotoさんはホームセンターで働いていたとき、誰もがやらされ仕事として捉えていたポイントカードの入会キャンペーンに全力で取り組んだそうです。
 
本社からのノルマは未達成でもお咎めなく、全員がこの仕事への関心を失っている中、motoさんはやり方を工夫し、メンバーを鼓舞することで、過去最高の成果を達成しました。
 
誰もやっていない仕事=全員にやる気がない状態ですが、だからこそ自分で主導権を握ることができます。
 
自分がやるべきこと以外の仕事を新しく作り、それで成果を出せれば社内から大きく評価されます。さらに、このような仕事でミスをしても、責められることはまずありません。
 
つまり、誰もやっていない仕事ほどローリスク・ハイリターンといえます。
 
「社内では誰もやっていない」または「やった方が良いことをやっていない」という仕事を見つけてみてください。誰もやりたがらない仕事を「やらされ仕事」として受けるのか、「経験が得られるチャンス」と思える仕事にするのかは、自分次第です。
自分の成果と数字で向き合う
成果とは、「会社への貢献度が高く、数字で表すことのできる実績」です。
 
例えば、あなたがある商品のPRの仕事をしていたとします。メディアで連絡をして、商品を取り上げてもらうように依頼したり、取材をしてもらったり様々な活動をすることになります。
 
この場合の成果とは何でしょうか?
 
先程の定義に当てはめると、PRの目的は、顧客に商品を知ってもらい、買ってもらうことです。メディアで紹介されることがゴールではなく、「その記事を見て、どれだけの人が商品を買ったのか」「メディアを通じてユーザーがどれくらい認知したのか」というところまで追いかけて、初めて成果になります。
 
会社として追いかけるべきは、お客さんに商品を知ってもらうことではなく、購入ユーザーを増やすことです。
 
成果を数字で表すようになると、自分のやった仕事に対する効果がわかるようになります。前回よりもうまくいったのか、成功した要因は何かなど、考える余地が広がってきます。
 
自分のやった仕事を、数字として追いかける癖をつけるようにしましょう。

売り上げに紐付いた行動をする

仕事とは価値を生み出し、会社の売り上げを作り出すことです。これを達成するためには、売り上げに紐付く行動を増やし、逆に売り上げに紐づかない行動は最小限にとどめることが大切です。
 
では、どのように売り上げに紐づいたかどうかを確認するのでしょうか?
 
答えは、自分が直接関わる仕事や、間接的に関わった仕事が、最終的にお金になるかを確認することです。
 
例えば、会社で行われる宴会の出し物の練習などは、売り上げに紐づいていないことの代表例です。ただし、必ずしもそういった行動が、自分の経験や学びにならないとも限りません。
 
ポイントは「自分が関わった仕事が最終的にどうなったのか」を常にウォッチしておくことです。
 
自分が使った時間は「浪費」だったのか、「投資」だったのかを考えることが重要です。お金とのつながりがない仕事は、自分から切り離すか、その仕事をしないようにする必要があります。
 
会社の評価面談で見られるのは、こういったあなたの行動です。売り上げに紐付く行動をして、貢献度を確認する。これを意識してみましょう。

「自分株式会社」の考え方

本書でmotoさんは、自分株式会社という考え方を勧めています。これは、自分自身を会社に見立てて、経営者目線を自分の中に持つということです。
 
あなたは「自分株式会社」という会社の経営者です。この会社の売り上げは、今在籍している会社からの給与や副業の収入です。そこから家賃や食事代という経費や、住民税や自動車税等の税金が引かれ、手元に残った金額が利益です。
 
この考え方ができるようになると、「自分株式会社の売り上げを上げるには、何をすれば良いのか」「どんなことに経費がかかっているのか」という視点を持てるようになります。
 
転職をして給与をあげたり、副業をして別の収入源を確保することで、自社の売り上げを伸ばすことができるかもしれません。また、飲み会に参加しないようにしたり、スマホ格安SIMに切り替えることで、経費のムダを抑えることもできるでしょう。
 
さらに、自分株式会社にとって、経験は資産に入ります。自分株式会社は「あなたの経験を使って売り上げを伸ばしていく」というビジネスモデルです。
 
例えば、転職をして一時的に年収が下がっても、経験を得られれば長期的にはプラスになります。このように、会社の収支を見るようにして、自分自身の働き方が「プラスになっているかどうか」を見極めましょう。

会社をビジネスパートナーだと捉える

自分株式会社の考え方ができると、今所属している会社をビジネスパートナーだと捉えることができます。
 
会社に対して「自分の労働力を提供する、会社はそれを年収で買っている」という関係だと捉え、あくまで会社と自分は対等だと考えます。
 
この考え方の大きなメリットは、会社をビジネスパートナーとしてみると「会社を利用する」という視点が持てるようになることです。
 
ほとんどの人は「自分は会社に利用されている」と考えてしまいます。どんな仕事であっても、「雇われているから仕方なくやっている」という気持ちで働いていることは、いつまでもやらされ仕事の域を脱しません。何歳になっても、言われた仕事しかできない人になってしまいます。
 
会社員はたとえ失敗しても、急にクビになったり、年収を全部返納しろとは言われません。会社という大きな力を持ったビジネスパートナーを利用すれば、自分の将来に役立つチャレンジをすることができます。今までできなかった仕事ができたり、個人ではできない大きな仕事ができたりします。
 
その結果、転職のオファーをもらえたりすることもあります。会社をビジネスパートナーとして捉えることで、会社に依存しない考え方ができるようになります。

仕事を作業にしない

作業とは、何も考えずにただ言われた通りに行動をすることです。逆に「仕事をしている」というのは、自分の仕事にどんな意味があるかを考えながら仕事をしている状態をいいます。
 
例えば、Excelのデータ入力の仕事を頼まれた場合でも、ただの入力作業として考えるか、数字を見ながら「このデータはこうした方が見やすい」とか「ここの数字がいつもより落ちている」ということに気がつければ、それは組織に対して自分の価値を提供できているといえます。
 
上司の指示に対しても、なぜこの指示をされたのか、本当にこの仕事をやるべきなのか、という思考をすることが大切です。自分の頭を使って仕事に取り組むことで、初めて経験値を獲得することができます
 
motoさんは本書で、「自分の頭を使って仕事に取り組む」ことを「脳みそに汗をかいて働く」と表現しています。
 
頭を使って行動しなければ、あなたの市場価値は現状維持になります。変化の激しい時代においては、現状維持は押していくのと同じです。おすすめは、脳みそに汗をかいて行動していくことです。

「許可」を求める行動をする

上司に仕事のことを相談するとき、多くの人は「どうしたらいいですか?」と聞いてしまいます。しかし、このような場合は「こうしてもいいですか?」という言葉を使うようにしましょう。
 
脳みそに汗をかいて働く、つまり自分の意思や思考をかませると、必ず「こうしてもいいですか?」という質問になります。目の前にある仕事に対して、どうするべきかを自分で考え、そのために必要な許可を上司に求めるところがポイントです。
 
上司の指示にただ従うのではなく、自分で考えて結論を出し、それを行動に移すことで、自分の仕事に責任を感じられるようになります。自分に責任がある仕事ほどやりがいは感じられるものです。
 
目の前の課題をクリアするために、自分はどうすべきかを考えるようにしましょう。

主体性がないと成果が出ない

仕事では、何よりも「主体性」が大切です。
 
与えられた仕事をやらされ仕事にするか、その仕事を利用して自分のために成果を出すかは、自分の主体性によって変わります。
 
単調な作業や難しい課題を与えられたとき、会社の売り上げを上げることに意識を切り替えたとmotoさんは本書で話しています。
 
店全体の売り上げを1時間おきにチェックし、昨年の同時刻と比較して上がったかどうかを見ることにしたのです。その時間の売り上げが昨年に負けていたら、生鮮食品のコーナーへ行って、最も売れている寿司の品出しを行ったり、ツマ盛りを手伝ったりしました。このように工夫することで、お店の売り上げはどんどん伸びていったそうです。
 
売り上げが上がれば上司は喜び、そのうえ自分の仕事にオリジナリティが出ます。主体性を持って行動することで、仕事は楽しくなってくるものです。
 
仕事を作業にするか、作業を仕事にするかは自分次第です。どんなに地味で大変な仕事でも、「何のためにやっているのか」という視点を持って、作業を仕事に変えていきましょう。

仕事にモチベーションを求めない

「仕事のモチベーションを上げたい」という悩みを持つ人は多いと思います。しかし、自分のモチベーションの事はいったん忘れた方が、自分の市場価値は上がります。
 
なぜなら、自分のやる気に振り回されてしまうと、仕事の成果にばらつきが出てしまうからです。重要なのは、モチベーションに目を向けるのではなく、「相手にどんな価値を提供できるか」に集中することです。
 
目の前の顧客に対して「自分の介在価値」を高めることで、自分の市場価値は上がっていきます。自分の価値を上げるために仕事をするようになると、モチベーションという言葉は出てこなくなります。
 
自分の価値を上げるためには、誰かに設定された目標をこなしても意味がありません。それは「やらされ仕事」です。代わりに自分自身で課題や目標を設定し、それを達成するための行動をする必要があります。
 
仕事にモチベーションを求めるのはやめて、「相手にどんな価値を提供できるか」を意識するようにしましょう。

さいごに

いかがでしたか?
 
著者のmotoさんは、「行動を起こさないことこそ、最大の失敗だ」と考えて生きてきたそうです。自分の立ち上げた会社を上場企業に7億円で売却できたのも、会社員時代に小さな成果をたくさん出し続けたからだと語っています。
 
結果だけ見ると「そんなすごいこと凡人にはできない」と考えてしまいますが、本書を読めばそれが間違いであることがわかります。
 
どんな仕事に対しても、「成果を出すこと」や「自分の市場価値を上げること」にこだわり続けたからこそ、成し遂げられた偉業なのです。
 
私自身もこの本を読んで大きく影響を受けました。
 
特に「自分の市場価値を上げる」というマインドは、これからの時代を生きていくために必ず必要になる考え方だと思います。本書の大きなテーマでもありますので、気になる方はぜひお手にとってみてください。
 
ではまた次回!
最後までご覧いただきありがとうございました。
 

『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン 名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』

こんにちは、ワンホです。
 
本日ご紹介する一冊は、YouTuberのサラタメさんが書いた『シン・サラリーマン』という本です。
 
600ページを超える本書からは新時代のサラリーマンの在り方を学ぶことができます。
 
仕事に悩みを抱えるサラリーマン、将来に不安を感じており収入を増やしたい人、Fireを目指している人、老後に充実した人生を送りたい人におすすめの一冊です。
 
それでは、内容を見ていきましょう。
 

2つの給料袋を持つ

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人生100年時代には様々な変化が起こります。
 
この変化の波に飲み込まれずに安定を手に入れるためには、2つの給料袋を持つことが重要です。つまり、副業をして複数の収入源を持ちましょうということです。
 
副業を始めることで、もちろん金銭的なメリットは大きいですが、それ以上に大きなメリットがあります。それは仕事が好きになるということです。
 
複数の収入源を持つと、一つの会社や得意先に依存しなくなります。つまり、会社が嫌になったらすぐ辞められる立場になるのです。これはサラリーマンにとって大きなメリットですよね。
 
そうすると、少しずつ好きな人、場所、内容を選んで仕事ができるようになります。上司に命令されて言われたことをやるのではなく、自分で選んだ仕事をするなんて、楽しいこと間違いないでしょう。
 
この「仕事が楽しくなってきた」という感覚は、お金以上に大きな価値をもたらします。つまり給料袋を2つ持つことは、金銭的な安定を得られるとともに、仕事が楽しく感じるという精神的な安定を手に入れることができます。
 
これこそが真の安定です。ぜひ2つ以上の収入源を持ちましょう。

人生100年時代を生き抜く3つの武器

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副業を始めましょうと言うと、本業がおろそかになってしまう、と不安になる人もいますよね。本業がおろそかになれば、サラリーマンとしての出世コースから外れてしまいます。
 
しかし、心配する必要はありません。なぜなら、出世コースから外れてもOKだからです。あなたが人生100年時代を生き抜くためには、出世なんかよりも、3つの武器を身に付けることが重要なのです。
 
その3つの武器とは、”リーマン力””副業力””マネー力”です。これらを身に付けることが現代の最新勝ちパターンとなります。
 
ざっくり説明すると、

○まずリーマン力を鍛え、出世ではなく自分の時間を確保する
○その自分の時間を活用し、副業力を磨く
○副業でガッポリ稼いだ資産をマネー力でしっかり守る
 
これが大枠の流れです。
 
現代では、出世の価値は大きく下がっています。なぜなら、会社の寿命が短くなってしまったからです。出世が人生の安定をもたらしてくれたのは、会社の寿命が長く、終身雇用が約束されていた頃の話です。僕たちの働く時間は長くなる一方、会社の寿命が短くなる今の時代においては、出世による安定は単なる幻想です。まずはこの現実を認識してください。
 
ただし、出世を目指さないことは、会社の仕事を適当にやるということとは違います。出世を目指さなくても、仕事の成果にはこだわりリーマン力を高めましょう。そこで高めたリーマン力を出世ではなく、自分の時間の確保と副業の規模拡大に使うのがシン・サラリーマンのあるべき姿です。
 
3つの武器について、それぞれ具体的に説明していきます。

リーマン力

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リーマン力は、サラリーマンとしての基礎筋力のことです。リーマン力を鍛えてこそ、副業力という刀と、マネー力という盾をうまく扱えるようになります。

 
具体的には、副業の規模を拡大させる際、外注スタッフのマネジメントスキルや企業との折衝力が求められます。サラリーマンの現場は、そのようなビジネススキルを伸ばすための絶好のトレーニング環境です。
 
リーマン力をしっかり身に付けると、勝ち馬と呼べる業績の良い会社に次々と転職できるため、景気に左右されずに収入が安定します。一方、リーマン力はどれだけ身に付けても、稼ぐ金額に限界がある、副業力より伸びが弱い、というのがデメリットです。
 
次に、リーマン力を鍛える仕事術について解説していきます。

仕事術①STARを意識して働く

STARとは、Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)のそれぞれから頭文字をとった言葉です。
 
具体的には、
 
○まずどんな状況にあるか自らを分析する
○解決すべき課題を設定する
○課題を解決するために工夫して行動する
○どんな結果になったか検証する
 
この4つのステップです。
 
この4つのステップを呼吸するようにこなせるサラリーマンを目指しましょう。より端的に言えば、上司から与えられた仕事をこなすだけではなく、自分から仕事を作れるサラリーマンになろう、ということです。
 
STARを意識できる人は、上司からすれば、放っておいても勝手に業績を上げてくれる自主性のある部下です。このような部下は細かく口出しする必要がないので、かなり重宝されます。部下であるこちらとしても、意味のないやらされ仕事が激減するため、労働時間は短くなるのに大きな成果が出る、という理想的な状態に近づけます。
 
今日からSTARを意識し、自分で仕事を作るマインドを持ってください。

仕事術②エッセンシャル思考

残業をしないためには仕事をスピードアップする必要があります。
ではどうすればいいか。
 
答えは、エッセンシャル思考を身に付けて、やらない仕事を捨ててしまいましょう。
 
仕事ができる人でもそうでない人でも、人間の作業スピードはそれほど大差ありません。仕事ができる人は仕事の取捨選択がうまいのです。
 
エッセンシャル思考とは「より少なく、しかしより良く」という考え方です。やらない仕事を決めて、やると決めた仕事だけに集中する思考法です。
 
エッセンシャル思考を身に付ければ、少ない労力で充実感が得られる上、大きな成果を残すことができます。なぜやらない仕事を決めると成果が出るのか?それは、8割の仕事は無駄だからです。真の成果に直結する重要な仕事は、全体の2割と言われています。そのため、その2割に集中するエッセンシャル思考の人の方が成果を上げられます。
 

まずは全力を注ぐ仕事と、ギリギリ合格ラインでOKな仕事を仕分けることから始めましょう。これに慣れれば、集中すべき2割の仕事を把握することができます。2割を把握し、力の入れ具合を調整できるようになったら、あえてやらない仕事を徐々に増やし、2割の仕事に集中するのがおすすめです。

 

▼『エッセンシャル思考』の要約記事はこちら▼

wanho.hatenablog.com

 

副業力

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副業力は、個人の力で稼げるスモールビジネスを自分自身の手で切り盛りするスキルです。副業には3つの大きなメリットがあります。

メリット①収入が青天井

1つ目は、収入が青天井であることです。
会社からもらう給料は安定しているものの、急激に伸びることはありません。なぜなら、あなたが会社の利益に大きく貢献しようと、それをみんなで分け合う仕組みになっているからです。
 
一方、副業は自分だけのビジネスです。利益は全部あなたの手元に入ってきます。仕組み作りさえうまくやれば、収入は青天井に伸びていき、サラリーマンよりよっぽど稼げてしまいます。

メリット②ボスが自分である

2つ目のメリットは、ボスが自分であることです。
副業には上司がいないため、サラリーマンより自分の裁量が圧倒的に大きいです。
 
自分主導で進めるビジネスなので、常に自分がリーダー、自分が社長です。あなたが思うように仕事をコントロールできるようになります。

メリット③評価が名刺代わりになる

3つ目のメリットは、評価が名刺代わりになることです。
個人としての評価が積み上がり、あなたの評価は徐々に名刺代わりになります。サラリーマンであれば、たとえ優秀な業績を上げても、あなた個人の評価ではなく、所属する会社の評価が高まります。
 
ただし副業では違います。業績をあげれば、そのままあなた自身の評価に直結します。評価という資産が、あなた自身に積み上がっていくのです。副業で成果を上げ、あなた自身に指名の仕事が集まるようになれば、食いっぱぐれることはありません。
 
では、どんな副業をやればいいのか。次に説明します。

やるべき副業の条件

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重要なのは、テコが効いている副業を選ぶことです。要するに、小さな力で大きなものを動かすテコのように、少ない労力とお金で大きな利益を生み出すビジネスのことです。
 
副業で徹底すべき条件は3つあります。

副業の条件①初期費用が掛からない

1つ目は、始めるために大金がいらないことです。
 
残念ながら、一発目のビジネスで副業初心者が成功するケースはほとんどありません。そんな中、仕切り直すたびに、数十万円単位の大金を失っていては、副業を続けること自体が難しくなります。副業は長い戦いです。もう失敗できないという状況に陥らないためにも、初期費用を抑えることを徹底しましょう。

副業の条件②在庫を持たない

2つ目の条件は、在庫を持たないことです。
 
在庫を持つビジネスは、仕入れにも保管にもお金がかかります。商品が売れずに廃棄する時ですら、お金がかかります。在庫を持たないことを意識してください。

副業の条件③利益率が高まっていく

3つ目の条件は、利益率が高まっていくことです。
 
利益率とは、どれだけ儲かるかの指標になります。例えば、YouTubeの動画を1本作り、10万円の利益を稼いだ場合、編集に9万9000円かかれば、利益率はたった1%です。一方、編集費を1万円に抑えられたら、9万円儲かるため利益率は90%です。利益率が低くても、たくさん売って稼ぐ薄利多売ビジネスは大企業の得意分野です。
 
これには個人のスモールビジネスでは勝ち目はありません。利益率50%以上を見込めるビジネスを目指してください
 
ただし、副業を始めたての頃は、どうしても利益率は低くなります。はじめは自分の労働力でカバーし、極力大きな損失が出ないようにしましょう。重要なのは、今後利益率が高まっていく見込みがあるかという点です。
 
これら3つの条件を前提にすると、最も効率的な副業はネットを活用する副業でしょう。現在はYouTuberやブロガー、ウェブライターやオンライン秘書など、様々なビジネスがあります。ぜひ副業を始めてみてください。

マネー力

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ここまで説明してきたリーマン力と副業力を身に付ければ、ゼロからのスタートでも、貯金1000万円程度は十分射程圏内になります。ただし、資産が増えてくると必要になってくるのがマネー・リテラシー、つまりマネー力です。
 
重要なのは、詐欺に引っかかるなどの致命的なミスを避けることです。その上で、長期の積立投資で将来に備える。これがシン・サラリーマンとしてのお金との付き合い方です。
 
次に、お金との付き合い方で大事なポイントを2つ紹介します。

お金との付き合い方①何を買いたいのかを忘れない

お金はあくまでも目的を達成する道具です。
 
何かを買うためにお金があるにもかかわらず、何を買いたいかを忘れ、ぼんやりとお金持ちになりたいと考えていると、お金という道具をうまく使いこなせません。常に何を買いたいのかを具体的にイメージしましょう
 
どんな家に住み、子供を何人持ち、老後はどんな生活をしたいのか、詳細に考えてください。そうすると、自分は何歳までにいくら稼がないといけないかが自然と見えてきます。
 
多くの人は、自分の夢を全て叶えるとしても、必ずしも億万長者になる必要はありませんす。例えば、毎年家族で海外旅行に行きたいという夢も、年収が100万円アップするだけで実現できてしまいます。何を買いたいのかを忘れない。この前提を頭に叩き込みましょう。

お金との付き合い方②お金の罠は感情でハマる

サラリーマンが引っかかりやすいお金の罠として、家や車、保険、ギャンブル的投資などが挙げられます。
 
しっかり数字で判断すれば引っかからない罠ですが、巧みなセールストークで感情を揺さぶられると、騙されてしまう可能性があります。
 
○老後に借りれる家なんてないですよ?
○あなたにもしものことがあったらご家族はどうなりますか?
○働くのが辛いなら不労所得を手に入れませんか?
 
これらのセールストークには注意しましょう。

さいごに

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いかがでしたか?
 
本書からは、人生100年時代の新しいサラリーマンの在り方を学ぶことができます。
 
サラリーマンが抱える仕事の不安、お金の不安、将来の不安......
 
この本を読めば「そんな悩みは全部まとめて解決できてしまう」と思えるほど、濃密でタメになる内容でした。ここには書ききれていない内容がまだまだあるので、気になる方は、本書をぜひお手にとってみてください。
 
ちなみに僕は、すでに3回読みました。笑
サラリーマンとしての目線を持ちつつも、副業での収入やマネーリテラシーを手に入れて、新時代を駆け抜けようとするサラタメさんの考え方やノウハウはものすごく勉強になります。正直めちゃくちゃ面白かったです!
 
本書の著者サラタメさんのYouTubeチャンネルのリンクも貼っておきますので、ぜひ覗いてみてください。
 
ではまた次回!
最後までご覧いただきありがとうございました。

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『相手は変えられないならば自分が変わればいい』

医師・心理療法士であるラス・ハリスが2019年に執筆した本書は「心理療法ACT」を用いて恋愛・人間関係を改善するための方法を紹介しています。

本書の目的は、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)療法を用いて心理的柔軟性を発達させること。多くの研究で、心理的柔軟性が増すほど人生がより充実したものになることがわかっています。

本書からACTを学ぶことで、自分の心の動きを理解し、関係改善のための対処方法を身に付けることができます。

それでは、内容を見ていきましょう。

Wanhoの個人的評価

読みやすさ ★★★★
新規性 ★★★★
有用性 ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★

本書のハイライト

心理的柔軟性とは?

心理的柔軟性は2つの部分からなる。

  1. マインドフルネス(という心の状態)
    → 心理的に現在に存在する能力。
  2. 効果的な行動を起こす能力
    → 衝動的、無分別ではなく、知覚的かつ慎重に行動する能力。

この心理的柔軟性が増すほど、自分を制限する思い込みを排除し、現在の行動に集中・没頭し、効果のない、あるいは自己破壊的な行動を変える能力が高まり、より良い恋愛・対人関係を築くことができる。

また、私たちは子供のうちから「恋愛に関する先入観」を刷り込まれており、まずこれらを自覚する必要がある。

【恋愛に関する先入観】

  1. 完璧なパートナーが存在する
  2. あなたが私を完璧にしてくれる
  3. 愛は簡単であるべきだ
  4. 永遠の愛

感情はコントロールできない

重要なのは、愛を感情ではなく行動として捉えること。

感情は気まぐれでコントロールするのは不可能だが、愛の行動は何を感じていようとコントロール可能である。愛を感じない時に愛の行動をするのは非常に効果的である。

重要なのは、感情をコントロールしようとするのはやめ、行動をコントロールすること。ここで指す行動とは、ハグしたり会話する等。

良い人間関係を築くために

他者の行動に影響を与えるあらゆるスキルをマスターしたとしても、他人をコントロールすることは不可能であり、パートナーが自分の望む反応を示してくれる保証は無い。コントロールできるのは自分の反応だけであり、習慣を変えたり行動したりすることはパートナーの協力があってのこと。

一方、自分がコントロールできる範囲(自分の行動)に集中していると、頼んでもいないのにパートナーがポジティブな変化を遂げることがよくある。

要求とコントロールの試みがなくなってくると、多くの場合、パートナーは安堵感を得て、自分の望みを受け入れるようになり、自発的に優しく扱う傾向がある。そして、コントロール戦略にエネルギーを費やすのを止めると、節約したエネルギーを自分が理想のパートナーになるために投資することができる

パートナーを受容する

「受容」とは、相手が差し出すものを喜んで受け入れること。相手が自分とシェアしようとするものを、それが何であれ受け取ること。

人生で確実にコントロールできるのは自分の行動だけ。私たちはパートナーが望み通り行動してくれることを期待しているが、強く健全な関係を作りたいなら無条件にこれを受け入れる必要がある。

それは自分の求めるもの、欲するものを諦めるということではない。人は感謝され、気遣われ、尊敬され、良い扱いを受けることを望んでいる。

こうした望みや必要性を認め、重んじるのは当然だが、それらを「絶対にゆずれない条件」にするのはやめること。もしそうなると、人はそれを渇望し、しつこく求め、依存的になる、批判的になり、要求が多くなってしまう。

ルールと価値を区別する

「~した方が良い、~は必須、~しなければならない、~するべきだ」などのルールは縛られすぎると問題が起こる。柔軟性をなくして硬直し、互いに制限ばかりの空虚な人生になってしまう。

重要なのは、ルールと価値を区別すること

【理由】

  1. ルール通りに人生を生きていると息が詰まり、常にストレスを感じる。
  2. どんな価値観でもそれに即した行動は無限にあるが、ルールの下では自分ができる行動は制限される。
  3. カップルが対立する価値を持つのは稀。一方で、双方が同じ価値を持つケースの方がはるかに多い。

よくあるのが、価値は同じでも行動のルールが異なる場合。根本的に同じような価値を持っていることが理解できれば、価値は互いに受け入れあい、尊敬し合うことができる。

「俺(私)の意見が正しい!」

互いの意見が食い違い、口論になった場合、ここでは真実かそうでないのかの議論はしない。注目すべきは「自分たちの関係にとって何が最も役に立つか」である

互いの意見が真実かどうかはさておき、変わるべきは相手で自分ではないと言う考えにしがみついている時、それは自分の態度や行動に良い影響を与えない。

長い目で見て、「それは2人の関係にとって良いことだろうか?」と考える必要がある。

「今」に集中すること

他者への最高の賞賛表現の1つは、相手に全面的に注意を向けること。誰かを自分の意識の中心に置くと、相手が注目され、丁重に扱われたと感じる。

2人の関係が始まった頃、互いに気遣い、互いに相手に興味を持っていたが、時間が経つにつれて相手への興味を失い、欠点が目についてくる。

相手の表情やボディーランゲージ、会話、感情に集中し、マインドフルになること。

相手の立場に立つ

相手との間に困難な状況を解決する1つの方法は、パートナーの視点から状況を見ること。相手に同意するのではなく、相手の言い分を理解しようと努める。

相手の立場に立つことができれば、批判をすることもなくなり、正しいのは自分と言う思考から離れられる。

相手は自分の価値が認められ、尊敬されていると感じ、その場のやりとりを、より実りのあるものにしてくれる。

【建設的な会話のステップ】

  1. パートナーの立場に立つこと
  2. 自分が相手の考えを正しく理解しているか確認する
  3. 自分がパートナーの考えを理解したと相手が感じるまで会話を続ける

感想

本書は主に恋愛関係としてのパートナーとの関係づくりに主軸を置いたものとなっています。

読み進める中で、タイトルの通り「相手は変えられない」「変えられるのは自分の行動だけ」ということを学び、良い関係を築くためには「自分が変わらなきゃ!」と思えるような内容となっています。

パートナーと議論になると、つい自分の意見の正当性を主張してしまいがちですが、本書に出てくる「それは2人の関係にとって良いことだろうか?」との問いが、関係作りの本質をとらえており、すべての答えであるような気がしました。

ACTは恋愛関係だけでなく、家族や友人、同僚との関係改善など多様な場所で応用できる考え方・スキルと思います。人間関係に悩んでいる全ての人におすすめの1冊です。

ぜひ読んでみてください。

目次

はじめに 恋愛とは骨の折れるもの
第1部 素晴らしい愛が台無しに
第2部 誓いを立てる
第3部 良い関係を作ろう

著者

ラス ハリス
医師で心理療法士であり、ストレスマネージメントの権威でもある。自らもアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)によって不安との戦いを乗り越えた経験を持つ。国の内外を旅して、マインドフルネスの利用方法を指導するワークショップを行っている。 

 

『アンガーマネジメント11の方法』

ロナルド T. ポッターエフロンとパトリシア S. ポッターエフロンが「アンガーマネジメント」をテーマとして2016年に執筆した本書は、多様な怒りを簡潔に整理し解説した啓蒙書となっています。

怒りを11種類に分け、それぞれの「怒りスタイル」のポジティブやネガティブな側面(かかるコスト)、変わるために必要な考え方、怒りをうまく使うための秘訣を紹介しており、怒りについて理解を深めることで、自身で怒りのマネジメントを可能にすることを目指しています。

それでは、内容を見ていきましょう。

Wanhoの個人的評価

読みやすさ ★★★★
新規性 ★★★★★
有用性 ★★★★
おすすめ度 ★★★★

本書のハイライト

怒りとは

怒りは大切な感情であり、感情のメッセンジャーである。

怒りが伝えるメッセージとは「何かがうまくいっていない」「何かが自身の行く手を阻んでいる、それに対して何か対策せよ」など。

実際、怒りの主たる目的は2つ。明らかに何かが問題であると自身に伝えること。そして、その何かを変えようとする活力を与えること。

怒りは自身にメッセージを伝え、活力を与えるが、その状況の扱い方や具体的な計画を示してはくれない。各怒りスタイルには、それぞれの扱い方がある。

11の怒りスタイル

怒りのスタイルは、「隠された怒り」「爆発的な怒り」「慢性的な怒り」の3つに大別される。

1、隠された怒り

「怒り回避」「陰険な怒り」「内に向けられる怒り」の3タイプ

自分が起こっていると認識しない時、あるいは自分の怒りを過小評価している時、怒りは隠されていると考えられる。

「怒り回避」をする人は自分の怒りを全く見ようとせず、それを人に見せようともしないため、この仮面を剥がすのは至難の業である。

「陰険な怒り」方をする人は、混乱や延期、不精といった仮面で自分の気持ちを隠す。

「内に向けられる怒り」タイプの問題は、どれくらい怒っているかを十分に理解していないこと。彼らは自分の怒りを人に向けて表現することを自分で許すことができない。

2、爆発的な怒り

「突然の怒り」「恥に基づく怒り」「意図的な怒り」「興奮するための怒り」の4タイプ

爆発的に怒りを示す人は、彼らの怒りは急で、大げさで、時に危ない性格の人として知られている。

「突然の怒り」は、制御不能と急な激情を特徴とする爆発的な怒りスタイル。「恥に基づく怒り」もこれに該当する。

恥を感じやすい人は、突如攻撃されたと感じては、自らを守ろうとして反撃する。

故意に怒る人は自らが手にしたいものを得るために「ひどく怒っていること」を相手に示そうとする。

興奮するために怒る人は、大量のアドレナリンを欲しており、大声で精力的に言い争うことにより、ある種のハイな状態になろうとする。

3、慢性的な怒り

「習慣的な怒り」「恐れに基づく怒り」「憤り/嫌悪」「道徳的な怒り」の4タイプ

このスタイルの人は長い期間怒りを煮詰めている。他のスタイル同様、なかなか怒ることを止められない。

「習慣的な怒り」は、怒りが習慣化しているため怒りを止めることができない。

「恐れに基づく怒り」は、人を疑り深くさせ、妄想的になっていることがある。

憎悪する人は、怒りの気持ちから離れられず、その怒りが心に突き刺さってしまっている状態。

「道徳的な怒り」をする人は、終わりなき正義の戦いに巻き込まれている。

アンガーマネジメント

アンガーマネジメントにおいて重要なのは、「柔軟性」を持つこと

怒りを表す様々な方法のいずれも、いつも正しいとか間違っているということはない。人は、特定の怒りスタイルを好みがちであるが、それぞれの怒りスタイルは、賢く使うことができると価値がある。

目指すべきなのは「それぞれの状況で、どのスタイルを、如何に使えば良いか」を今よりも上手に決められるようになること。

そのためには、怒りには以下のような特徴があると捉えること。

怒りを上手く扱う人の特徴
  1. 柔軟性を持ち、複数の怒りスタイルを使う
  2. 怒りは人生の中でごく普通のものとして扱う
  3. 怒りは実生活の中で問題が起きていると知らせる信号として扱う
  4. 怒った際の行動は慎重に選ぶ
  5. 制御不能にならないよう、怒りをほどほどに表す
  6. 目標は、怒りを表すことではなく問題を解決することと考える
  7. 怒りを他社が理解できるように明確な方法で伝える
  8. 怒りは一時的なものと考え、しがみつかない

また、自分の怒りを効果的に伝える方法の1つは、「何が自分を困らせているか」を明確に相手に伝えること。その際、以下のように「私」を主語にする。

あなたが(特定の行動)をする時、私は(特定の気持ち)を感じ、そして私は(特定の目標)を望んでいる。

例えば、「あなたが9時に帰宅すると言って真夜中になっても戻らない時、私は心配するし怒りを感じる。もし遅れるならば10時までに電話をしてほしい。」のように伝えるようにする。

感想

本書からは、「怒りは誰にでも生じるものであり、善悪はないもの」ということを学びました。重要なのは、怒りを自分に対するメッセージと考え、その感情を如何に有効活用できるかということだと思います。

自分の考え方や振る舞い方のパターンを知ることで、自分の人生をより豊かにすることができると感じました。過度な怒りや不要な怒りをコントロールし、適切な場面で有効な怒りスタイルを使うことで、以前より効果的な方法で周囲に影響を与えることができると思います。

本書は「怒りを上手に扱う方法」を学びたい人には必読の1冊と思います。

ぜひご一読ください。

目次

第1部 導入(怒りの諸問題と怒りスタイル)
第2部 隠された怒りスタイル
第3部 爆発的な怒りスタイル
第4部 慢性的な怒りスタイル
第5部 結論(結論:怒りを解消しよう)

著者

ロナルド T. ポッターエフロン

米国ウィスコンシン州オークレール在住の精神療法家であり、アンガーマネジメントの専門家。他にも「アルコールと薬物についての研究」やアンガーマネジメント、恥と罪悪感、嗜癖化過程に関してセミナーを行っている。

パトリシア S. ポッターエフロン

米国ウィスコンシン州オークレール在住の精神療法家であり、うつや物質乱用治療の専門家。

 

『世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか?』

アメリカを主導するリーダーたちは頭だけでなく、心も体も鍛えられている。

新日本海新聞社顧問でもある田村耕太郎氏が「コンディショニング」をテーマとして2013年に執筆した本書。

本書では、著者が「日本を待ち受ける世界との競争に一番必要なのは、カラダ作りとコンディショニング」と語る理由やコンディショニングの具体的な方法が紹介されています。

また、全米で大人気のトレーニング「クロスフィット」も掲載されており、さっそく行動に移すことができる一冊となっています。

それでは、内容を見ていきましょう。

Wanhoの個人的評価

読みやすさ ★★★★★
新規性 ★★★★
有用性 ★★★★★
おすすめ度 ★★★★

本書のハイライト

日本のリーダー像と世界のリーダー像には大きな乖離がある。

日本のリーダー層は運動が足りない。運動や食事、心のケアへの配慮が不十分なため疲れやすいし勉強や仕事に行き詰まる。

今や世界中で文武両道が当たり前になっている。

なぜ運動が必要か

早朝のワークアウトは脳に良い。朝から大きな筋肉を適度に動かすと記憶を司る海馬の血流が良くなり神経細胞が増える。そして、神経細胞神経細胞の接点であるシナプスがつながる。

脳と体を連動しており、肉体を鍛えることと脳を鍛えることは切っても切り離せない。

身体を動かすと脳が機能する

そもそも脳は体を動かす司令塔であり、故に表裏一体で、身体を動かすときに脳は機能し発達する

脳は他の臓器の10倍も燃費が悪い臓器であるため、人類は普段は脳を休ませ、走って狩りをしたり、走って逃げたりするときに脳を機能させてきた。現代は狩りをする必要はないが、本来人間は体を動かさずに脳を機能させるのは苦手である。

心臓を鍛える

研究によると、IQと最も相関性があったのは全身にたくさんの血液を送る能力である。この能力のベースになるのは血管や心臓の能力。大量の血液と酸素を脳に送る機能が高いほど燃費が悪い脳を効率よく使える。

全身に大量な大量の血液を送り続けるには強い心臓と丈夫な血管が必要。そして、心臓と血管を鍛えるのは運動と食事である。

運動と記憶力の関係

運動不足は記憶力の低下をもたらす。運動不足により肥満になった結果、レプチンという満腹を阻止するホルモンが効かなくなる。レプチンが効かないと満腹でも食欲が落ちず、さらに食べて太ってしまう。

レプチンは記憶力や学習能力を向上させる働きがある。

クロスフィット

短時間でワークアウトの成果を出すために、クロスフィットがおすすめ。クロスフィットは短時間で効率よく鍛えられ、メニューはバランスよく設計されている。

例えば、腕立て伏せ、腹筋、スクワット6回ずつを5分間やり続ける。10セットやれば各60回。たった5分間でもかなりきついとのこと。

感想

本書では、「日本のリーダーがどのように運動や食事、心のケアをすべきか」を根拠・具体例を示しながら紹介しており、運動(食事、瞑想)することで、疲れやすい身体を鍛え記憶力や集中力の向上が見込めることを学びました。

そして、これらのことは既に海外のリーダーたちは実践しており、私たちも行わない手はないと感じました。

また、ワークアウトや運動の組み合わせが写真付きで数多く紹介されており、食事や座禅についても例がいくつか紹介されています。

「物事になかなか集中できない」「運動不足を直したい」という方、本書を参考に、ぜひ実践してみてください。

目次

1 文武両道のパワーエリートとは何か?
2 世界のエリートが実践するコンティショニング術
3 世界の文武両道事情

著者

田村 耕太郎(たむら・こうたろう) 
新日本海新聞社顧問、上海国際商工学院顧問、国立シンガポール大学リークワンユー公共政策大学院名誉顧問。  早稲田大学、慶応大学大学院(在学中にフランス高等経営大学院に単位交換留学)、デューク大学法律大学院、エール大学大学院を各卒業。 オックスフォード大学上級管理者養成課程修了。2期参議院議員をつとめ、内閣府大臣政務官参議院国土交通委員長を歴任。エール大学、ハーバード大学ランド研究所でも研究員をつとめた。